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2005年07月30日

Deerhoof/ディアフーフ

Deerhoofの作品をチェックしてみる。


▼ディスコグラフィ

The Runners Four(2005) 管理人お気に入り度……★★★☆
前作「Milkman」は実験色が強かったのに比べると、今作はライブ感のある作品になった。
Satomiのほわほわとしたボーカルは健在。
DEERHOOF節とでもいった、ヘナチョコかつ摩訶不思議なポップ感も、あいかわらず全開。
だが突飛なことをしようとしているのではなくて、セッションのなかで生まれ、重ねてきたものを磨いたような感じがする。
複雑なことをやっているわけではないのに、緻密でフリーキーな、からみ合いを感じさせる音。
ひとつひとつの楽器に耳をすますと、楽しくなってくる。
サイケデリアな「Running Thoughts」、「You're Our Two」、「Rrrrrrright」。
カントリーソングっぽい「After Me The Deluge」。
軽快にがなるギターとベース音が楽しい「O'Malley, Former Underdog」、「Scream Team」。
フリーセッション風の「Midnight Bicycle Mystery」、「News From A Bird」。
社交ダンスのようなリズムに、ステップを踏みたくなる「Spirit Ditties Of No Tone」。
バラエティーに富んだ楽曲群。
コミカルさを残しつつ、「Apple O」の頃よりもさらに真摯に取り組まれた感がある。
全体的な音色はざらざらとしていて、ガレージ色が強い。
昭和歌謡にも通じるようなクラシカル(?)を感じさせる部分もあるが、総じて2000年代感覚で作られた作品だと思う。
ただ強烈なビートが炸裂しまくりという感じではなく、どこかまったりしているように思えるのは、今回はドラムのインパクトをさげ「ブレンドする感じ」という、解説のSatomiの弁とも合致しているだろうか。
ノイジーな爆音にもミラクルなポップを与えてしまうSatomiと合わせ、もう一人のボーカル、Gregの哀愁のある歌声も、作品に黄昏を投げかけており、素敵で聴き入ってしまう。
20曲という収録量は、きつい人もいるかもしれない。
また表情が多様な分、強烈な1曲はない気がするのが、しいて言えば今作の弱みか。
それにしても、これだけのはば広い引き出し、そして演奏の組み合いを聴いていると、自分も楽器を手に、バンドセッションをしたくなってくる。
そんなアンサンブル欲をも、刺激してくれる作品。

 ▽その他のレビュー・試聴可能サイト
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 bounce.com


Milk Man(2004) 管理人お気に入り度……★★★☆

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Apple O'(2003) 管理人お気に入り度……★★★☆

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▼ネットフィーチャー
めもらぼ。さん
PVフル視聴、アルバムフル試聴サイトなどへの膨大なリンク集があります。おすすめ!
net-flyer.tv
2004/10/01@渋谷クラブクアトロでのライブ映像。
wfmu.org
2005/5/31@the WFMU Studios.ライブ音源をフル試聴できます。


▼ネクスト・アーティスト
Yeah Yeah Yeahs
Erase Errata


▼ライブ・レビュー
・2006/3/1 SCISSOR CUT DANCE! @渋谷O-NEST
日本人であるボーカルSatomiにとっては、特別な思いもあるだろう、来日ツアー最終日。
クールで無表情な印象が強かった彼女も、この日ばかりは大いに暴れまわっていた。
アンプに何回も乗ったり、天井からぶらさがった配線をつついたり。
客にギターを突き出して弾かせたり、ステージ横のスタッフにまでマイクを向けて歌わせる(叫ばせる?)はっちゃけぶり。
Deerhoofに入るまで、バンド経験はなかったという彼女。
しかしオルタナ・ノイジー、それでいてどこまでもポップな、魅力サウンドを生み出し続けている彼女のルーツ(音楽に限らず)とは、いったいなんなのだ
ろう。
とても興味がわいた。
メンバーを率先し、アメリカでたくましく生き抜いている、その強さにも。


ライブ前、メンバーのアンプを調整していた、ドラムのGreg。
他の楽器のチェックもしてあげるとは、さすがリーダー。
(Deerhoofの楽曲の多くは、Gregが手がけているらしい)
今回、スティックを折るところは、(自分は)一回しか見なかったけれど。
(折るのが前提、というのもすごいが……)
ちなみにステージにあがるとき、彼の手には20本くらいの予備スティックが抱えられていた。


位置的には、最前列のSatomi前にいた自分。
が、それがアダとなったか、ちょうどまん前に置かれていたギターアンプからの響きが強すぎ、演奏のバランスがよく感じられなかったという点はあった。
今までの会場では多少、ステージとの距離や段差があったおかげか、直にひとつの楽器の音だけが突出して、うるさく聴こえる、といったことはなかったの
だけれども。
ライブ自体、途中はちょっと間延びしてダレた感も。
これまですばらしく感じられていた、パフォーマンスのメリハリもなかったように思う。
一ヶ月の間に3度も彼らのライブに足を運び、慣れてしまったせいか。
集中して聴けなかったのも、大きいかもしれない。


だが、客は大盛りあがりだった。
当日はメンバーChrisの誕生日だったこともあり、会場はお祝いムードに包まれたときも。
アンコールも2回おこった。
客席にわって入り、「Gore in Rut」を大熱唱(絶叫?)していたSatomi。
大きな目を輝かせて、最高に楽しそうな笑顔。
それは凱旋公演をやりとげた、アーティストの満足感。
同時に、もっとものびのびとできるだろう祖国で自然にこぼれた、女性の素顔
であったのかもしれない。
共演者の54-71も、二階堂和美も、客もスタッフも踊りに踊っていて、大いに
沸きまくったこの日のライブであった。


評価の高まりと比例するように、怒涛のスケジュールで行われた、今回の来日公演。
それが終わってもまだまだ、彼らは多くのライブを予定しているようだ。
たくさんの経験に研かれ、実りを得て、ふたたびファンを驚喜させてくれるような作品を、生み出してくれるに違いない。


・2006/2/24 MOSTNOTORIOUS Vol.22 @新宿LOFT
小さなステージ。
ほぼ横一列に並ぶ配置の彼らには、ちょっとせまそうな感じもした。
が、演奏は、窮屈という言葉とは無縁。
「衝撃」という声が客から聞こえてきたのもうなずける、迫力のライブであった。
前日のNHK505スタジオと違い、天に突き抜けるよりも、会場にかぶせられていくような、肉厚な響き。
インプロビゼーションを思わせるような、奔放なからみ合い。
しかし静と動を同時にはらみながら、決して荒唐無稽に崩れず、あくまで保たれるポップさ。
音のメリハリ、ブレない演奏力は本当に巧みで、どこまでもすばらしい、セッション力をもったバンドだと思った。


おそらく、バンドの大きな軸となっている、Gregのドラム。
前日はシンバルを割っていたのに驚いたが、この日はちゃんと、別のものを使用していた。
……が、変形しまくってる……。
しかも叩く力が強すぎて、今日はスティックを何本も折りまくっていた。
折れると、すぐさま傍に用意している新しいものを握って、演奏に飛びこむという暴れっぷり。
本当に、パワフルなドラマーだ。
(ステージそでで、あふりらんぽのピカが、彼のドラムにじーっと見入っていたのが印象的だった)
だがステージが近かったおかげで、彼の豪腕ぶりだけでなく、絶妙な間の取り方、繊細なリズムの刻み方などもよく見えた。
本当に才能にあふれた人だと感じられた。
(そういえばHellaのZack Hill、Joanna Newsomと制作したアルバム「Nervous Cop」も、キッツ……いや、すごい作品だったな〜)


ボーカルのSatomiは、あいかわらず無表情が多かった。
けれど、パートチェンジ以外は、ほぼ立ち位置が変わらなかった前日と比べると、アンプの上に乗ったりして、やんちゃっぷりを発揮。
小さな身体で、バンドを引っぱっていた。
「Rainbow Silhouette of the Milky Rain」で、後ろを向いたまま、くいくいとお尻を振っている姿が、めちゃめちゃ可愛かった。


会場の声援も大きく、最前列にいた私は後ろからの押しにあったり。
それくらい、おおいに盛り上がったライブであった。
大満足。


2006/2/23 @NHK渋谷放送センター505スタジオ
スタジオにセットされた、簡素なドラムセット。
Tシャツを切りはりして作ったような布がぶら下げられ、アルバム「Milk Man」と似た絵柄が描かれている。
まさしくGregのもの。


はじめて見たSatomiのちっちゃさは、衝撃だった。
私もたいがい、人のことは言えないチビッコだけれども……。
自分と同じ、もしかするとそれ以上に小さな成人女性を、久々に見た気がする。
Deerhoofというバンドにとっては、(意図はしてないだろうが)彼女の容姿は、ヴォーカルと合わせて強力な武器だろう。
しかし身体に大きなギター、ベースを抱えて、バンドを率いる彼女の姿は、かわいいというよりも、むしろかっこよかった。
少し前のめりのポーズで歌い、つま先をこつこつと鳴らしたり、ときに十八番の振りつけを交えながら、リズムをとる。
その挙動に、メンバーは目で注目し、互いを見つめあったりして息を合わせていく。
そのセッション能力の高さには、脱帽した。
ポップな楽曲の魅力はそのままに、フリーキーに絡み合う演奏。
強烈なリフとリフのバッティング。
ぐしゃぐしゃに暴れまくっているように見えて、実はしっかりとした下地、技術の高さを感じさせるJohnのギター。
前後に行き来しながら、口をパクパクと開けて弾いている彼のパフォーマンスは、ユーモアにもあふれていた。
ものすごい手数と強烈な打ち込み、そしてメリハリある間の取り方をこなす、ドラムのGreg。
彼が叩くたびに、周りで何やら小さな破片が飛び散っているので、ドラムの留め具でもはずれたのかな……と思ったら、なんとシンバルが割れまくっていた。
ええー、そんなこと、ありえるの??
はじめて見たよ……。
そうとうな豪腕ドラマー。
しかし、ベース及びギター担当のChrisと、男二人寄り添い、一本のマイクに向かって「Odyssey」を歌う姿は、とても可愛らしく、同時にとても才知ある人の匂いを放っていた。


キャリアは10年以上なのだから、考えれば当たり前だけれど。
Deerhoofは、CDでのヘナチョコ感や、実験的オーヴァーダヴのイメージを払拭するような、真のライブバンドであった。
あとはドラムが強ければなあ、もっとベースラインがかっこよければなあ、と思うバンドはよくいる。
けれど、本当にすごい4人が、よくぞひとつのバンドに集まった、と思わずにはいられなかった。
それくらい魅力がスパークしまくりの、すばらしいパフォーマンスだった。
終わればすかさず、イヤホンを耳にあてがうことも多い自分。
だが、この日のライブはあまりに良すぎたので、CDではしばらく聴きたくないほどだった。
プレーヤーはかばんにしまったまま、記憶の残響に酔いしれながら帰った。


ちなみに、セットリストをもらおうと駆け寄ったファンに、微笑みながら(おそらく日本語はあまりわからないのだろうけど)快く紙を渡していたJohn。
きっと、絶対いい人です。


▼過去ニュース
▽2005
・来日決定 12/26
Deerhoofの来日が2月に決定しました。
日本のミュージシャンとの共演。
東京(@Shinjuku LOFT)東京(@Shibuya CLUB QUATTRO)大阪、京都、さらに福岡、長崎での公演がほぼ決定のようです。
ちなみにチケットは一部すでに販売開始していますが、けっこう売れているみたいなので、迷っている方は早めの決断を。


・ニューアルバム「Runners Four」 10/28
Deerhoofのニューアルバム、「Runners Four」の輸入盤国内盤がそれぞれリリースされました。
全20曲。
HMVのサイトでは試聴も出来ます〜。
浮遊感はそのままに、緻密で変則的なポップ感がなおいっそう増した感じ。
すっごいいいと思う!
(私はこれから買います。。。)
国内盤も合せてリリースされるバンドになりましたね。


・ミックス音源無料ダウンロード 10/28
ニューアルバム>、「Runners Four」に引き続き、オフィシャルサイトでは「COVERhOOf」という、ミックス音源が12曲ダウンロードできるページ、さらにファンが収録曲「Rrrrrrright」のメンバーの個々のトラックをダウンロードし、それを好きな方法でリミックスしてオフィシャルサイトに送ると、掲載してもらえる「dEERMiX」というページが出来ています。
かなーり豪華なサービス精神!
まだ聴いたことないかたには、すばらしい試聴サービスとも言えますね。


・ニューシングル「Green Cosmos」リリース。 4/10
4/23、Deerhoofのニューシングル「Green Cosmos」(国内盤タイトル「みどりのコズモ」)がリリースされるそうです。
今回は全7曲中、6曲が日本語詞。紙ジャケ、アートワークは日本特別仕様とのことで、企画盤ミニアルバムといえるかもしれません。
レーベルはいつものKill Rock Starsではなく、Toad Recordsから。
エッジの効いた鋭いインディーギターポップにのる、Satomiのふわふわしたヴォーカル。ジャケットの超ふざけ具合とは裏腹の、変則ピッチが最高にかっこいい、聴けば聴くほど不思議、なのにはまってしまうDeerhoof。
最近のヘビーローテーションでもあります。


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投稿者 sakyo : 2005年07月30日 13:37

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