2005年03月09日
Hole/ホール
▼memo
1990年、ギター&ボーカルで、リーダーのCourtney LoveとギターのEric Erlandsonを中心に結成される。その他のメンバーは、諸々の事情で、入れ替わりが続いた。
1991年、アルバム「Pretty on the Inside」でデビュー。その後、「Live Through This」、「Celebrity Skin」の2枚のアルバムをリリースした。
Holeは音楽性よりも、故Kurt Cobain(NIRVANA)と結婚していたCourtneyの破天荒なキャラクター、スキャンダルな生き方に、注目が集まることが多かった。
また作品はアルバムごとに様相が違い、それは時代に合わせての変化というより、明確な方向性を見出せていなかった感もある。
ただ、個性的な楽曲や歌詞は、90年代の多くのオルタナティブな世代にマッチし、ファンを獲得していった。
ようやく本人たちの達観が見える「Celebrity Skin」リリース以降、ベースのMelissa Auf Der Maurの脱退もあり、後任ベーシストを探しているうちにCourtneyの女優としての活動の方が活発になっていったこと、レコード会社との訴訟問題が起きたことなどもあり、音楽活動自体が停滞気味のうちに、2002年に解散した。
以後、各自ソロで活動中。
▼discography

Pretty On The Inside(1991) 管理人お気に入り度……★★☆

Live Through This(1994) 管理人お気に入り度……★★★☆
壊れた人形。ナイフ。滴るミルク。死−。
どこかチープでいまいちあか抜けない、緩急が単純と言えるほど、明確なメロディ。
ロリータ・ゴスチックな匂いを放ちながら、B級映画のような俗っぽさをひきずる音に、Courtnyの技術があるとは言い難い、ダミ声ボーカルがかぶさる。
彼女いわく「Bマイナス」という本作は、ともすれば「ゴミ」の一言で片づける人すらいるかもしれない。
だが、荒々しく突っ走る演奏とCourtnyの絶叫、激しさは、細かいことなどどうでもよくさせ、聴く者を圧倒してしまう。
激しい曲調だからといって、心がスカッと晴れるかと言えば、否。
スロー・ダウナーな部分は言わずもがな、「f××k」と叫んでいてさえ、その声には諦念、消えない哀しみ、そして不思議な優しさがからまる。
歌詞に登場する、デブとなじられる女。規範を逸脱し浮いた者。自分を「人形のパーツ」とも「世界」とも呼ぶ少女。
これらは、おそらくみじめさや劣等感、孤独感のメタファーであろう。
それらがアルバム全体にメランコリーをもたらすと同時に、当時のHole、Courtnyの状況をも表すものであったのかもしれない。
ヒステリックで危うい感性の世界。
比喩的な表現が多いが、生々しくリアルだ。
くぐり抜けてきた絶望を振り返ることで、どん底を這いながら「それでも生きる」者への愛しさと優しさを持った視点が派生する、起因がそこにあるのかもしれない。
個人的には、本作を初めて聴いてから時間が経っており、こういう音にどっぷりとはまっていたかつての自分が、少し恥ずかしい……いや、まぶしい。
「ミス・ワールドは見たこともないくらい惨めな馬鹿女だけど、今でも、あたしの一部なのは変わりがないのよ」(Courtny)
自意識過剰でもろく、みじめなくせにやたらとんがったイタイ部分。
それは確かに今でも自己のなかに存在しているのに、たださらけ出さなくなった(出せなくなった)だけなのかもしれないから。
それにしても「Violet」「Miss World」は、今だ震えるナンバーだ。

Celebrity Skin(1998) 管理人お気に入り度……★★★
投稿者 sakyo : 2005年03月09日 19:31
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.missnoise.com/music/mt-tb.cgi/35